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認知症について

認知症について

認知症には、主にアルツハイマー型認知症、レビー小体型、血管型認知症があり、いずれも正常にはたらいていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響が起こる病気です。症状は、大きく分けて「中核症状」と「周辺症状」があります。「中核症状」は、記憶力・理解力の低下、見当識の障害(日時、場所、人物がわからない)、実行機能の障害(献立を考えて買い物をして料理をする、気候やその場にあった服装を選んで身なりを整える等)があります。「周辺症状」は、「中核症状」に対して反応して起こる精神症状で、抑うつ、不安、焦燥、興奮、妄想などが起こります。

①アルツハイマー型認知症

アミロイドβなどの特殊なタンパク質が脳に蓄積することにより、脳の機能異常が徐々に進行していきます。認知症の中で最も頻度の高いものです。

②レビー小体型認知症

この認知症の特徴は、パーキンソン症状(手が震える、体がこわばる、表情が乏しくなる)、幻覚、認知機能の動揺、倒れたり失神したりする、薬の副作用が出やすい、などがあります。診断や薬の選択を誤るとかえって悪化することがあるので、注意が必要です。

③血管型認知症

脳梗塞や脳出血により脳の血流が滞り、神経細胞が障害されることにより発症します。脳の血管が原因により起こるため、障害された場所により様々な症状が出ることがあります。

原因と治療法

認知症を完全に治す治療法は残念ながらまだありませんので、治療目標は出来るだけ症状を軽くし、進行速度を遅らせることになります。

治療法には、薬物療法と非薬物療法があります。このうち薬物療法は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の中核症状の進行をある程度抑えることはできますが、完治はできません。そのため、非薬物療法によって症状を抑えることも重要となります。

薬物療法

認知症の薬物治療では、認知機能を増強して、主な症状を少しでも改善し、病気の進行を遅らせる治療と、周辺症状(行動・心理症状)を抑える治療を行っています。高齢者の場合、予期せぬ副作用が起こることもあるので、少量から慎重に調整していきます。

非薬物療法

認知症と診断されてからも、本人に出来ることはたくさん残っています。書き取りやドリルといった認知リハビリテーションだけでなく、昔の出来事を思い出すこと、家族以外の人たちと交流を持つことも脳の活性化を促します。重要なのは、家庭内で本人の役割や出番を作り、前向きに日常生活を送ることです。また、認知症には介護保険を含めた公的なサービスを利用することができます。患者さん本人の生活の質の維持やご家族の負担軽減のために、これらのサービスの利用は重要となります。

物忘れ外来

当院では、加齢による正常範囲の物忘れか認知症かを判断し、またうつ病などの他の精神疾患との鑑別を行っています。認知症も他の疾患と同様に早期診断、早期治療が重要です。

診療では、問診、血液検査、認知機能検査を行い、認知症かどうかの診断を行い、必要な場合には外部の医療機関に依頼して頭部画像検査を行うこともあります。
その後、診断に基づいた薬物療法、ご本人やご家族へのアドバイスを行う他、生活面、各種社会資源の利用についてのご相談も承っています。

※ご本人の普段の様子をご存知のご家族などの同伴をお願いします。
※お薬手帳を必ずご持参ください。

家族相談

患者さん本人が来院できない場合、ご家族だけのご相談も承っています。
それぞれの生活状況等に応じて、精神保健福祉士がご相談対応いたします。

相談料

初回 1時間 4,400円(税込)
2回目以降 30分 2,200円(税込)